ヨセフの再会
The reunion of Joseph
 

ホン・ソンピル (洪 性弼)
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「ヨセフの再会」
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第二章 葛藤 第10

ユダ :神は、その言葉をノアに直接お話されたのではありません。それに、神がノアに箱舟の建設を命じたられたとき、すでに彼にはセム、ハム、ヤフェテの三人の息子がいただけでなく、三人とも結婚していました。長男セムは洪水の2年後に100歳であり、その時アルパクシャデを産んだと言います。洪水が起こった時ノアは御年600歳。長男セムは98歳です。つまり長男セムが生まれたのはノアが502歳の時だと言えるでしょう。502歳の時に生まれた息子が結婚しているためには、早くても20年は必要でしょう。先ほど言ったように箱舟を命じられた時にはすでに三人の息子には嫁さんがいました。百歩譲って、仮に息子たちが三つ子だったとしましょう。その時点、神が箱舟の建設を命じた時点を無理を承知で見てみても、三つ子の息子たちが20歳ですべて結婚していたとして、ノアは522歳です。そしてノアが600歳に洪水が起きたわけでしょう?

レビ :(シメオンを見て)ふむ。弟の計算が合ってるみたいだぜ。120年はおろか、80年にも満たねえじゃねえか、兄さん。

シメオン :うむ。よし、まあ、そうだとしよう。だけど、120年だろうが80年だろうがだ。それが果たして短いかってことなんだよ。俺が言いたいのはな、ノアは、自分の家族以外にほかの人間を乗せなかったんだろう?これを見てもノアがどれだけ利己的だったかわかるってもんだろう。

ユダ :(シメオンに)兄さん、それは兄さんが誤解されたようです。ノアが長い期間にわたって大きな船を建て、最後にその船に乗った人は、多くの動物たちを除くと、その家族にしかいなかったというのは間違いありません。しかし、それは、ノア自身の決断ではないんです。神はすべての陸の生物を絶滅させるおつもりでした。もちろん人間も含めてです。ただ、例外があります。神はその例外、つまり箱舟に乗る人まで指名しておられます。それは、ノアとノアの妻、三人の息子とその嫁の八人だけです。ノアが自分と家族だけを連れて箱舟に乗ったのは、利己的だからなのではなく、神の言葉を守った結果と見るべきでしょう。神が呼ばれていない者まで連れて行ったとしたら、それはアブラハムとロトのようになってしまっていたのかも知れませんね。

シメオン :アブラハムとロト?なんだ、そりゃ?

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