ヨセフの再会
The reunion of Joseph
 

ホン・ソンピル (洪 性弼)
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「ヨセフの再会」
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第二章 葛藤 第12

ユダ :ロトの妻は御使いたちの言いつけを守りませんでした。神がソドムをなぜ滅ぼしたのでしょうか。神はソドムを滅ぼす計画をアブラハムに語り、アブラハムはソドムに義人十人を見つけることができれば彼らのことを思って滅ぼさないように懇願しましたが、結局十人もいなかったということです。当時のソドムとゴモラは、何もかもが罪に染まっていました。その地で成し遂げた財があったとしても、それはまた、罪の中で得られたものです。だからこそ、神は最終的に、すべてのものを捨て、妻と娘二人だけを連れて脱出するように命じました。それだけでなく、罪の中で得られたすべてのものに対する未練をも捨てろという意味で後ろを振り返らないようにと警告します。ところが、ロトの妻は…。そうですね。未練が残っていたのか…、もったいなかったのかも知れませんね。ロトはアブラハムと一緒にハランの地から出てきたのですが、ロトの妻はもしかしたらソドムで生まれソドムで育ったのかも知れません。だからこそ多くのものに対する未練、罪の中にいた未練を捨てきれずに、とうとう振り返ってしまった彼女は、神の警告に背いた結果として塩の柱となってしまいました。二人の娘も兄さんが言われたように、非常に嘆かわしいことになりました。その娘たちから生まれたモアブやアモンの子孫たちも今、カナンの地に住んでいますが、彼らは私たちにとってよからぬ存在となることは明らかでしょう。

レビ :よからぬ存在だと?それはどういうこった?

ユダ :前にお話ししたように、神はアブラハムを呼ばれましたが、ロトは呼ばれませんでした。ところが、ロトを連れてきたばかりに、あらゆるよくないことが立て続けに起こりました。簡単なことです。ロトがいなかったら起こらなかったであろうことがロトによって起こったとしたら、それはすべて神が望まれなかったことであります。アブラハムがロトを連れて来なかったなら、ロトはソドムへ行かなったであろうし、ロトがソドムへ行かなかったなら夫人に出会うこともなかったでしょう。夫人に出会わなかったなら二人の娘は生まれなかったでしょうし、二人の娘が生まれなかったのなら、モアブとアモンは存在しなかったはずだからです。

シメオン :おい、ユダ。それはちょっと言葉が過ぎるんじゃねえか。モアブとアモンの子孫も結局は、俺たちと同じ血筋だろうよ。いつかは力を合わせて生きていくべきだというのが道理というもんだろう。

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