ヨセフの再会
The reunion of Joseph
 

ホン・ソンピル (洪 性弼)
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「ヨセフの再会」
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第二章 葛藤 第16

ユダ :そんなことなど、私にわかるはずないじゃありませんか。しかし、いくら何でも私たちの手を血に染めるというのは弁解の余地のない罪です。それに、私たちが選んだ戦略とやらは何でしたか。

シメオン :おう。完璧な作戦じゃねえか。言ってやったさ。俺たちは、割礼を受けていない者に娘を与えることができない、あんただけじゃなく、あんたがたの町に住んでいる男のすべてが割礼を受けなければ一緒に住むことはできないとな。俺は正直、そういうとあいつらがあきらめると思ったんだよ。そうしたら、あいつ。ディナに完全に惚れちまったらしいな。いくら族長だといえども、本当に全ての男に割礼を受けさせるとは思ってもみなかったぜ。こんな絶好のチャンスを逃す手はないだろう。割礼を受けた後、痛みが最も激しい三日目にレビと一緒に殴りこんで、シェケムとその父ハモルだけでなく、そこに住む男たちをきれいに一掃してからディナを救い出して来たんじゃねえか。おい、ユダ。これを何だって?罪だと?むしろ、兄として当然のことをしたまでだろうが。

ユダ :兄さん、さっきも言ったではありませんか。彼らに対する裁きを、神が私たちに命じられたことがないということです。そして、私たちは、今おっしゃったように割礼を利用しました。割礼とは何でしょう。まさに神が契約の証しとして、私たちに許されたしるしではありませんか。ところが、その神聖なしるしを、私たちは、人を殺す方法として使ってしまいました。これは単にお二人だけの問題ではありません。私たち兄弟全員が彼らの返り血を浴びたも同然です。なのに、今になって、再び殺人をしようというのですか。兄さん、ここはエジプトです。大国エジプトです。そしてこの場所は、今、この国の皇帝のような方がいる場所なんです。あの徹底した警備をご覧ください。彼らはシェケムのような田舎者とはわけが違うんです。

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