ヨセフの再会
The reunion of Joseph
 

ホン・ソンピル (洪 性弼)
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「ヨセフの再会」
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第四章 疑問 第12

レビ :(連れていかれるルベンを見ていたが、やがて頭を下げてため息をつき、しばらくした後、ユダを見る)おい、ユダ…。実はな。オレも同じ考えだ。やはり、あれが一番気になる。まあ、ざっくり言って、オレたちの運命はどうなるかってことだ。

ユダ :ヨセフがこの件について、どのように関与しているかどうかが分からないままでは、下手な憶測をしても仕方がないと思います。ですが、確かなのは、もしヨセフが今まで生きていて、今回、私たちに起こった様々なことに関してヨセフ背後にいたとしたら、私たちをどうにかできるチャンスはいくらでもあったはずだという点です。

シメオン :うむ。もし俺たちを殺そうとしたのなら、最初に捕まった時、殺せたはずだ。しかし、俺だけを人質として捕まえて置いたまま、お前らは送り返した。

ユダ :はい。奇妙なことは、まだたくさんあります。最初にこの場所に食糧を買いに来たとき、私たちは確かに費用を支払いました。しかし、食料をろばに乗せて帰る途中に宿で確認をしてみると、お金がそのまま荷物の中に入っていたでしょう。

レビ :あ。そうだ。ありゃ、一体どういうこった?まさか、オレたちの中の誰かが盗んでそこに入れたとか?

ユダ :そんなはずはありません。私たちの兄弟の中で、誰かが、エジプトの金庫を開けてお金を盗み出したとは思えないでしょう。今、私たちには食料はありませんが、お金が不足しているわけではありません。それに、私たちは常に一緒にいたではありませんか。

レビ :うーん。よくわかんねえなあ。じゃあ、どうなってんだよ。

ユダ :奇妙な点は、まだあります。今回、再びエジプトに来た時には宰相が私たちを自分の家に招待までしてくれたでしょう。

シメオン :うむ。確かにおかしい。俺たちむかって、やれスパイだ、回し者だとか言っていたくせに、もう自分の家に呼んで食事までもてなしてくれるなんてな。俺たちも最初はここに入れられて、何かされるんじゃないかと思ったじゃねえか。しかし、あんな豪勢なものまで食わしてくれるなんてな。俺たちにちょっと悪いと思ったからかね。

ユダ :わかりません。わからない点は、まだ他にもいくらでもあります。あの食事の席で、私たちを座らせるとき、こちらが何か言う前から、あらかじめ歳の順に座らされたのを覚えていますか?

レビ :あ、言われてみればそうだったかな。でも、そんなの、偶然じゃないか?それに、オレたちを見ていたら何となく見当がついたとか。

ユダ :いくら初対面でないとはいえ、我々、十一人兄弟の順序を一つも間違えずに当てたのを単なる偶然と言えるでしょうか。それに、歳の差なんてほとんどありません。

シメオン :ふむ、そうか?うーん、そんなの、お前の思い過ごしじゃねえのか?

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