ヨセフの再会
The reunion of Joseph
 

ホン・ソンピル (洪 性弼)
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「ヨセフの再会」
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第二章 葛藤 第4

 - ルベン・ユダ・シメオン・レビを除いた兄弟たちがダンを抑える。

ナフタリ :兄さん、もう、それぐらいにしとけよ。

ダン :おい、ナフタリ。お前はオレたちの母さんがあんな奴に辱めを受けたのに何ともないのか?え?言ってみろよ!悔しくないのか!

ナフタリ :あんな奴を相手したってしょうがないだろ。兄さんが我慢しろよ。あんな奴を殴ったって、オレたちの手がよごれるだけだって。

ダン :(ルベンを睨む)くっそ!憎たらしい奴め!(なだめる兄弟たちによって、怒りを抑えながらしぶしぶ座る。もと居た、ルベンから離れた、ナフタリの隣)

レビ :(ダン・ナフタリに)まあ、お前らの言いたいことは分かるけどな。(ルベンを見て)あのさあ、何で余計なことをしゃべって、こじらせるんかね…。末のことなんて言わなくてもいいじゃんかよ。おかげでオレたちは殺されちまうかもしれねえんだぜ。

ルベン :おい、そんなこと言うなよ。あの人がボクたちの言っていることを信じてくれないのは、信憑性がなかったからなんだ。ボクたち兄弟はここにいるだけじゃないじゃないか。だから、全てを話したら信じてくれるはずだよ。いや…、待てよ…。(しばらく考え込む)違う…、違うぞ…。(歩き回りながら)もしかしたらこれは、あの子の呪い…、いや…、ラケル母さんの呪いかも知れないぞ…。

シメオン :何言ってんだよ。いい加減にしろよ。

ルベン :(シメオンを見て真剣な表情で)なあ、か、考えてみろよ。あの子が死んだのはボクたちのせいだろう?ボクたちが殺めたようなもんじゃないか。これは、もしかしたら、あの子の呪い…。いや、いや、違う、違うぞ…。(頭に手を当てて深刻な表情で考えていたが、しばらくして、新しい事実を悟ったというようにシメオンを指さしながら)わかったぞ!そうだ、あの子が言ったんだ。間違いない!あの子が、あの子が天国へ行って、そこにいるラケル母さんに、みんな告げ口をしたんだよ。(シメオンに擦り寄る)だからラケル母さんがそのことを知ってしまったんだよ。ボクたちが自分を殺したんだとさあ。ほら、覚えてるだろ?もともとあいつの特技だったろう?告げ口するのがさあ。なあ、そうだろう?

シメオン :(ルベンの体を押し戻す)もう、いい加減にしろって言ってるだろう。

ルベン :いいや、シメオン、そうじゃないよ。聞いてみてくれよ。ボクたちはあの子を手にかけたんだよ。血を分けたあの子を僕たちの手で殺してしまったんだ。ラケル母さんの息子はあの子らだけだろう?だから僕たちがこのエジプトで何の理由もわからずに死んでしまうことになったじゃないか。な?不思議だろ?ちょうど末は今、お父さんとカナンにいるじゃないか。だから、末を除いて僕たちだけが殺されることになったんだ。だろう?これがラケルの呪いでなくて何だろうか。そうだろう?なあ、そうだろう?

ダン :(ルベンに殴りかかろうとする)てめえ、黙れって言ってんのが聞こえねえのかよ!

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