ヨセフの再会
The reunion of Joseph
 

ホン・ソンピル (洪 性弼)
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「ヨセフの再会」
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第二章 葛藤 第14話

ユダ :(ダンの方を向いて)うむ。そうすることができれば、どれほどいいだろうか。しかし、神の御心は明らかに違った。神が人間を創造されたとき、言われた最初の命令は「生めよ。増えよ。地に満ちよ。地を従えよ。」であった。ところが、その昔クシュの息子ニムロデが人々を衝動してお互いに散らばらずに集まって暮らそうといって建てた町の塔がバベルだったんだ。そうしたら、神がどうされたと思う?お互いの言語を混乱させ、最終的に神のご計画通りに全世界へと散らせたんだ。神がこの世界を創造される時、すべてのものをお創りになっただけではない。最初に光を創造された後、最初の日に光と闇を分けられ、二日目には、空と水を分けられ、三日目には陸と海を分けられた。だから、神は創造の神であると同時に、分けられる神、選別の神、区別の神だということだ。

シメオン :じゃあ、神はアブラハムも区別されたというのか?

ユダ :(シメオンの方を向いて)まさにその通りです。区別しようとされた神の御心に対してアブラハムは従順によって応えました。「カルデア人のウル」に住んでいたテラは、彼の息子であるアブラハムとハラン、アブラハムの妻サラとハランの息子ロトを連れてカナンの地に行こうとしましたが、どのような理由でか、その中間にある「ハラン」の地にとどまったのです。もしかしたら神はアブラハムを区別する前に、テラを先に呼ばれた可能性もあります。もしテラが神の言葉に従いカナンの地まで行ったとしたら、祝福は、アブラハムではなくテラが受けたかも知れませんね。しかし、テラは約束の地カナンにまで行かず、その途中のハランの地にとどまってしまいました。最初に従って信仰の種を植えたとしても最後まで耐え忍ばなければ何を刈り取ることができましょう。結局、テラはハランの地で死に、神の祝福は、最後まで従ったアブラハムに与えられました。神はアブラハムを呼び出されるとき大きな民族を成すとおっしゃいました。この言葉は、それまでアブラハムが暮らしていた地から呼び出し、新しい民族を成そうとされる神のご計画だったんです。

シメオン :おい、ユダ。神が新しい民族を成そうとされるのも結構だけどよ、どうもこのままでは新しい民族はおろか、俺たち兄弟が皆殺しだぜ。(レビを見て)よ、レビ。なんかいい方法はないもんか。

レビ :兄さん、オレの力を知ってるくせに、なんだよ。昔に比べると少し歳は食ったが、それでも、まだまだ負けねえよ。ここの警備兵の持っている剣を一本奪って、何人か殺ったあと、あの宰相とかというやつを人質にとってしまえば、こっちのもんじゃねえか。

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