ヨセフの再会
The reunion of Joseph
 

ホン・ソンピル (洪 性弼)
http://japan.ikahochurch.com
ikahochurch@gmail.com

 
「ヨセフの再会」
完全版PDFダウンロード

 

第三章 苦悩 第16

こうなると、さすがのレアも黙ってはいませんでした。レアも自分の侍女シルバを通じて息子を得たいと言ってきます。

本来、私は子孫に対する欲が強いと申し上げましたが、彼女たちの執念にはとてもかないません。結局レアからルベン、シメオン、レビ、ユダが、ラケルの侍女ビルハからダンとナフタリが、レアの侍女シルバからガドとアシェルが、またレアからイッサカル、ゼブルンが生まれるに至りました。

そして、みなさん、聞いてください。ついにラケルから子供が生まれたのです。息子が生まれたのです。みなさんも一緒に喜んでください。(観客の様子を見ながら)皆さんはあまりうれしくないように見えるのですが、そうおっしゃらずに、さあ、もう一度言いますね。

ついにラケルから子供が生まれたのです。息子が生まれたのです。みなさんも一緒に喜んでください。(観客の拍手をあおる)

ハハハ。ありがとうございます。いやあ、もう、本当にうれしかった。彼女が喜ぶ顔が今でも目の裏にありありと浮んできます。その子の名前がヨセフだったのです。ヨセフ。ヨセフ…。ああ、ヨセフ…。ヨセフ…。

ヨセフが生まれたのは伯父ラバンと約束をしたもう一つの七年の期限が終わる年のことでした。私はラバンに対して単刀直入に申し出ました。あなたの言う通り七年間を仕えました。初めに私は七年間あなたに仕える条件でラケルをくれるように言いましたが、あなたは私を騙して、結局十四年間も私を働かせました。もうそれで十分じゃないですか。いい加減、私を放してください。私を自由にしてください。

これを聞いてラバンは戸惑った様子でした。それもそのはず、自分の娘をだしにして十四年もの間、ただ同然でこき使った私が出ていくと言い出したからでしょう。それだけではありません。今、彼が所有している富は、私が働き始める前と比べると雲泥の差です。昔の財はみすぼらしい限りでしたが、今はあの家畜の群れをご覧ください。私が働き始めてからどれほど栄えましたか。これはみな、神が私と共におられたから成しえたことであります。にもかかわらず、私の分は一つもありません。もう、私を解放してください。私も自分の家庭を築き栄えたいのです。

第三章 苦悩 第17話 →

← 第三章 苦悩 第15話

ヨセフの再会トップ

伊香保中央教会トップ