ヨセフの再会
The reunion of Joseph
 

ホン・ソンピル (洪 性弼)
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「ヨセフの再会」
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第三章 苦悩 第18

ところが私は誰でしょう。そうです。私はヤコブです。長子の権利を奪い、父の最後の祝福も奪ったこの私がこれくらいのことでへこたれるでしょうか。ラバンがそう来るなら受けて立ってやろうじゃありませんか。ラバンがラバンならヤコブもヤコブです。

これからは私が動く番です。まず、ポプラやアーモンド、そしてすずかけの木の若枝を集め、その皮をむきました。これを家畜たちが水を飲むところ挿しておくと表面にまだらや縞模様が出てきます。なぜこのようにしたかというと、家畜たちは、この水飲み場に来て交尾をするんですな。柄のある枝を見て交尾をした家畜は柄のある子を産み、それを見ずに交尾をした家畜は、白い子を産みました。だから、私は丈夫な羊やヤギが交尾をするときは、この柄のある枝が見えるようにし、ひ弱な家畜が交尾をするときは、この木の枝が見えないようにしておいたのです。

するとどうなったのでしょうか。ひ弱な羊とヤギたち、白い家畜はすべてラバンのもので、丈夫な家畜、柄のある家畜と黒い羊は、すべてがヤコブのものになったのです。素晴らしいじゃありませんか?みなさん、これがヤコブの実力なんですよ!天才的じゃありませんか?(手振りで観客の拍手を促す)

そうです。これはヤコブが生き方です。たかがラバンごときが、どうしてこの私に勝つことができるでしょうか。六年が過ぎると、私の家はますます栄え、ラバンの家は衰退していきました。これをラバンと彼の息子が面白くないと思ったのでしょう。ラバンの息子を見ると、そのがめつさは瓜二つです。最初に自分の父親から模様のある家畜を譲ってもらった彼らは、私の取り分が増えるのを見て、自分のものが奪われていくと思ったのか、私のことを妬み始めたようでした。真っ白な家畜たちが私の手にかかれば、柄のある健康で丈夫な子を産むのを見て、どうも自分たちのものをわたしが横取りしてるように感じたようです。

これは、それこそお門違いも甚だしいと言えるでしょう。呆れた輩です。結局、彼らは自分たちの父親に告げ口をしました。それでも自尊心のかけらくらいはあったのか、自分たちのものが奪われるとは言わず、私がラバンのものを横取りしていると言ったのです。どちらにしたって同じこと、こじつけもいいところです。実に情けない。ですが、息子の可愛さからでしょうか。あるいは自分にも妬みがあったかなのか、ラバンも私を疎ましく感じ始めたようです。

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