ヨセフの再会
The reunion of Joseph
 

ホン・ソンピル (洪 性弼)
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「ヨセフの再会」
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第五章 追及 第3

しかし、あなたはこれを知っているか知らないか、七年の間に一貫した政策を展開していきました。休む間もなく、全国を巡回しては貯蔵量を確認して、倉庫を増築しました。一日に何度も命令を下して印章を押されたので、印章の指輪は、かなりすり減っているようにも見えるほどになりました。

やがて七年が過ぎしようとしていました。あなたに不満を抱いた者たちは、十分な資金をもとにして秘密裏に軍事力を集め反逆の準備を進めていました。期日が過ぎても飢饉が起こらなかったら、彼らはすぐにでも動く態勢でした。

ああ。ところがどうでしょう。あなたが預言したその年、その月から収穫が絶え始めます。土地が乾き出します。天の窓が閉じてしまったかのように雨が降りません。過去、数年の間には収穫期になると忙しく動いていた人手が止まってしまいました。いくら土地を耕そうとしても、石と岩で埋まるばかりで、手の施しようもない始末です。

人々の心は単純です。あなたの予測が的中すると反逆勢力の中で分裂が起こったのです。最終的に彼らの密告により、すべての反逆者だけでなく、その家族や親戚たちまでも陛下の前で無残に殺されてしまいました。

私はエジプトの祭司の娘、あの空高く昇る太陽を崇拝する祭司の娘です。しかし、私は折に触れて言ってくださるあなたの神のことも慕っております。ヤハ、とおっしゃいましたっけ?興味深かったのは、あなたの曽祖父様アブラハムの話でした。その方が七十五歳の時、突然どこからか聞こえてきた呼びかけの声に従って、それまで住んでいた家を捨てカナンの地へと向かったそうですね?その方を導き出した神はカナンの地を与えると約束し、それだけではなく、彼の子孫を天の星のように海辺の砂のように増やしてあげると言ったもかかわらず、長い間、息子一人与えられなかったそうではありませんか。さぞ辛かったことでしょう。それでも子供を身ごもることができる年齢だったら希望も持つこともできたでしょうけれど、その方の息子であなたの祖父様であるイサクを得たのが百歳の時だったとか。

私は以前、あなたの大伯父様イシュマエルについて教えてくれたことを覚えております。ハランの地を出発して十年になっても息子がなかったため曾祖母様のサラが曽祖父様に、自分の侍女ハガルを通して息子を得てほしいとお願いすることで生まれたのがイシュマエルだったとおっしゃいました。それに、あなたはサラの判断が適切でなかった、神の働きを待たなければならないと、神の考えではなく、人の考えに基づく行動は、いつか我々を突き刺すトゲやいばらとなって帰ってくると言われした。しかし、私は同じ女性として、あなたの曾祖母様の心がわかるような気がします。一年や二年でもなく十年もの間、何の要求もしない方が、むしろおかしいでしょう。結局、アブラハムに言われた約束は二十五年後に成就されたそうですね。

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